昨今、会社員の間で増えつつある不動産投資による資産運用。手堅く収益を確保するには、その方面の知識に精通するだけでなく、適切な手続きに関する情報もしっかり押さえておきたいもの。例えば不動産投資をする際の開業届は、出すか出さないかで節税効果が大きく異なるケースもあります。今回は、不動産投資で開業届を出す必要性とそのメリットについてご説明します。
なぜ開業届が必要なの?
会社員が不動産投資を始める際、開業届を提出しなかったからといって罰則があるわけではありません。そのため、煩雑な手続きを面倒がって提出しない人も多いのが実情です。しかし、不動産投資で得た利益の管理や税金の支払いをスムーズにするためにも、できればきちんと届け出を行ったうえで不動産投資を始めたいものです。
勘違いとしてよくあるのが、「開業届を出したら会社にバレる」というもの。しかし、実際にはそれによって会社に不動産投資をしている事実が露見するようなことはほとんどないでしょう。また、役所に届け出ることで税金負担が多くなり収益とのバランスが悪くなることを危惧して出さない人もいますが、むしろ開業届を出すことで税制上のメリットが得られるのです。
不動産投資において開業届を出すデメリットはあまり見えず、むしろメリットが目立つ点を考えれば、しっかりその手続きを済ませたうえで投資計画をスタートさせることをおすすめします。
開業届を提出するメリット
不動産投資で開業届を出す最大のメリットは、税制面での優遇措置です。税の申告には青色申告と白色申告があり、前者を選択すれば白色申告にはない様々な控除が受けられます。青色申告だと最大65万円の特別控除が可能で、向こう3年の赤字繰り越しといった措置も受けられます。その他、自宅家賃の一部を経費として計上することも可能です。
なお、青色申告特別控除の最大65万円を受けるには、原則として「事業的規模(5棟10室基準を満たすこと)」かつ「複式簿記による帳簿作成」「e-Tax提出または電子帳簿保存」の3条件を満たす必要があります。事業的規模に満たない場合の特別控除額は最大10万円となります。
このような青色申告による税制面の恩恵は、開業届を出すことで受けられます。不動産投資で得た収入は確定申告する必要がありますが、開業届を出せばこのような節税対策も大いに見込めるのです。
開業届の提出方法
開業届は、物件所在地を管轄する税務署に提出します。不動産投資の場合、物件を売り主から引き渡されてから1ヵ月以内には手続きを済ませるようにしましょう。届け出が遅くなったとしてもペナルティなどはありませんが、青色申告との兼ね合いで節税対策が生かされないケースもあります。
現在は税務署窓口への持参だけでなく、e-Taxまたはマイナポータル経由でのオンライン提出も可能です。マイナンバーカードがあればスマートフォンからでも提出できます。なお2025年1月以降、税務署で受領した届出書控えへの受付印の押なつは廃止されました。e-Tax提出の場合は「受信通知(メッセージボックス)」が控えの代わりになります。
青色申告を行う場合は、承認までに時間を要し、そのための手続きも別途必要です。手続きが遅れて年度をまたいでしまうと、受けられるはずの税の優遇も受けられません。青色申告を想定する場合は、早めの提出が肝心です。
開業届の提出と法人設立は異なる
開業届と法人設立には明確な違いがあります。会社員が不動産投資で開業届を出す場合、まずは個人事業主として開業届を出すことになるでしょう。個人と法人とでは、税率や節税効果の面で大きく異なる点に注意が必要です。
個人事業だと累進課税方式で税が課されるため、所得が増えるほど税負担も高くなります。不動産投資による収益が増大して安定路線に乗れば、法人化を検討するのもいいでしょう。法人の実効税率は概ね30%前後(規模・構成による)となるため、収益規模次第では大きな節税効果が見込めます。
大阪・兵庫エリアは収益不動産の成長市場です。将来的には法人化も視野に、長期的な投資計画を立ててみてはいかがでしょうか。
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